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命を預かるということ

子供の頃、『究極の選択』という遊びが流行った。
数種類あったテーマのうち、私が今でも覚えてるのは「カレー味のうんことうんこ味のカレー。食べるならどっち?」というもの。


つい先日、本当の意味での究極の選択に迫られた。
先週火曜日の夜に仙太郎が急に牧草を食べなくなり、元気もなくなった。それと同時に、動く時も座ってる時も、左足をかばっている事に気づいた。
最近どこででもシッコをしていたのはこれらに関係しているのかもしれない。

翌日に仙太郎を病院に連れて行くと、奥歯が少し伸びてきているのがわかった。
ただ、口の中を歯で傷つけていたり、出血しているわけでもないので、牧草を食べなくなった原因が『奥歯』だとは言い切れないとのことだった。

実は今年の6月頃からまた(昨年の今頃と同じように)仙太郎の体重が減ってきていた。
この体重減少について先生は、「夏バテではない。今まで普通に食事をし、元気もあるのに体重が減ってくるというのは何らかの病的要因があるはず。」と言った。

普通は具合が悪かったら食欲もなくなるけど、まれに食欲があっても体重が減ってしまう病気があるらしい。
その病気とは、糖尿病や癌といった大病。
こういった病気から、牧草を食べれなくなってしまった可能性もあるということだ。

この日から数日間、栄養剤の点滴をして仙太郎の体力を回復させ、検査をしてみることになった。
左足に関しては筋力が低下しているものの、レントゲンでも骨と関節には異常がないので、こちらもまずは体力回復を優先することとなった。


翌日から仙太郎は毎日、点滴に通った。
病気の原因を調べるために尿検査もした。
そして尿検査の結果、糖尿病でないことがわかった。


土曜日には血液検査もした。
血液検査の結果からは大きな病気の可能性は見られなかった。
ただし癌に関しては、血液検査の数値データからでは判断出来ず、レントゲンに映ってない箇所に腫瘍が潜んでいる可能性は否めないとのこと。
もっと詳しい検査をするには仙太郎の体力回復が必須で、今の状態ではこれ以上のことは出来ず、体重減少の原因はわからないままだ。

病院に通うようになってからの仙太郎の食事の仕方の変化についてを先生に話すと、やはり火曜日から牧草を食べなくなってるのは歯が原因だったようだ。
ただ、これまでの点滴でも仙太郎は体力を回復できてなく、今のこの状態で麻酔をして歯を削るのはリスクが高すぎるとのことだった。

先生には「仙太郎君はかなり体力が落ちてます。牧草を食べれなくても野菜やペレットを食べれるのであれば、命の危険を侵してまで今歯を削る必要がありますか?」と聞かれた。
「体重減少とは命に係わる問題です。もし体重減少の原因も歯であるなら、リスクが高くても今削ることをすすめますが、これに関しては歯が原因とは考えられない。
歯を削って食欲が戻っても体重減少は止められません。
今はほんの少しのショックを与えるだけでもかなり危険な状態です。
それに奥歯を削るには絶対に麻酔が必要です。無理に処置をすれば仙太郎君の寿命を縮めてしまう危険性があります。」とも言われた。

先生の言ってることは理解できた。
体重も1日で急激に減ってるというわけではないので、まずは体力を回復させて検査をし、仮に癌細胞が見つかったとしても、もっと状態が良くなってから歯を削るというのが仙太郎を少しでも長生きさせる方法だというのもよくわかる。

でも…
私は先生にこう言った。
「もし今晩以降、歯が痛くて何も食べれなくなったら、それは同じ結果になりますよね」と。
今年の元旦にも仙太郎は歯が伸びてご飯を食べれなくなったことがあった。
でもどの病院も正月休みで診察してもらえず、日に日に食欲と元気をなくす仙太郎を見てきたからからだ。

私の問いに対して先生は「仙太郎君の命と引き換えにですか?歯の処置中に死んでしまうかもしれないんですよ。」と答えた。

今、歯を削れば仙太郎は死んでしまうかもしれない。
私は何も言えなかった。

黙って考えている私に先生は「歯の処置を先延ばしにすれば、どれくらいかは分かりませんが、仙太郎君は生きられる可能性があります。あとは飼い主さんの判断です。」と言った。

私は「考えてみます。」と答え、仙太郎を連れて帰宅した。そして兄に相談した。
もし歯が痛くてこの先に食欲が落ちるようなことがあればもっと体力をなくす。そうなってから削るとなるともっと危険になる。
それならば今まだ自分で食べれる体力があるうちに処置してもらった方がいいという結論が出たので、翌日の朝イチで病院に連れて行くことになった。

この日の夜、仙太郎はまだ自分で野菜もペレットも食べてたけど、少し食欲が落ちてきていた。
明日に備えて少しでも栄養を付けさせようと、ドライペレットの他にお湯でふやかしたペレットを用意し、人参や茎などの硬い部分はスライスし、仙太郎が横になっている時にも食べさせた。
食べさせながら「明日の夜もおうちで一緒にご飯食べようね」と約束した。

翌朝の仙太郎は前夜よりも更に食欲が落ちていたけど、それでも自力では食べれていた。
神棚と、天国にいるハムスターのごよん達のお仏壇に手を合わせてから家を出た。

病院に着くと、まずは少しでも仙太郎に栄養がつくように点滴をした。歯の処置は正午、病院の診察時間が終わってからすることになった。
私は先生に「処置の間、付き添わせて下さい」と頼んだけど断られた。
凄くショックだったけど、すぐにその考えを改めた。
「付き添いたいということは、自分の腕の中で仙太郎に息を引き取って欲しいということやんか。私がそんな弱気でどうする!」って。

病院の診察時間が過ぎても沢山の患者さんがいて、全ての患者さんの車が駐車場からいなくなったのは12時半頃。
それまで駐車場に止めた車の中で待機していた私は、車を出て病院の前にあるベンチに座って待つ事にした。
心の中で「まだ、ごよんの所には行ったらいかん。絶対に元気で戻ってきてよ。」と願いながら。

数十分後、仕事を終えた看護師さん達が出て来た。
私の姿を見つけ「さっき処置が終わりました。仙ちゃんはもう目が覚めてるので、もうすぐ先生に呼ばれると思います。」と笑顔で言ってくれた。

看護師さんのその一言、その笑顔で、張り詰めていた緊張が解れてきた。
でもまだ仙太郎に会ってないから心底安心は出来てない。

それから数分後、別の看護師さんが受付カウンターの前に仙太郎のキャリーを置いて行くのが見えた。
キャリーの中で仙太郎が動く姿が見えた。

先生に無理なお願いをし、大きなプレッシャーをかけてしまったことを申し訳なく思うと同時に、無事に処置を済ませてくれたことに感謝した。
それからすぐ後に先生に呼ばれたので病院内へ入り、説明を受け、薬をもらった。

帰宅途中、仙太郎のキャリーの入り口を開け、すぐ手前にタオルで包んだ保冷剤を置いた。
すると仙太郎はキャリーから上半身を出し、気持ち良さそうに寝そべった。
野菜も持ってたけど車の中では緊張して食べないので、帰宅してからあげると飛びついてって食べていた。
明らかに朝よりは食欲があるように見えた。


それでもまだまだ食欲が戻ったとは言えない状態で、現在も水をあまり飲まないし、牧草も殆ど食べない。
ペレットも野菜や果物も少しずつしか食べない。
でも仙太郎は自力で食べている。
ご飯の時間になるとドタバタして元気に催促している。

まだ左足はかばってるし、体重減少に関する問題も残ってるけど、今は命があるだけで十分。
他のことは仙太郎がご飯を普通に食べ、体力が回復してからのことだ。

それにどうみてもこの顔…

Dscn9281_r

大病を患ってるようには見えん。

何はともあれ、おかえり、仙太郎。

Dscn9285_r


~おまけ~
最近のしし丸さん。
普段はカクカク丸やけど、休憩中は普通のしし丸に戻ります♪

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コメント

仙ちゃん、大変だったんだね。
でもたまさんのおかげで少しずつ
回復してきているんだね。
おばさんは何にもしてあげられないけど
遠くから仙ちゃんの一日も早い全快を祈っているよ。
今は暑くて大変だけど、1コでも多く
ごはんを食べてね。

しし丸君、元気そうでほっと安心♪
相変わらずつぶらな瞳だね。

仙ちゃん大変でしたね。
読み進んでいくうちにもう涙が・・・。
でもひとまずは元気に戻り安心しました。
難しい判断を迫られたと思いますが、結果的に正解のようで
良かったです。
体重の減りや足をかばうというのは、まだ心配ですが
まずは食欲を戻して体力取り戻してからですね。

飼主が日ごろから十分観察チェックしておかないと
駄目だと分かりました。
また、気が向いたら報告してくださいね。

私もうんこ味のカレー派です。カレー味でもうんこはちょっと・・・

仙太郎さんとたまさん、大変な選択をして、良い結果が出てほっとしました。
食べないと体力は回復しないので、私も同じ選択をしていたかもしれません。まだ油断はできませんが、お大事にしてください。
私・・・うさぎの●なら、どうしてもって時食べれるかも?

仙太郎くん、たまさん大変だったね
ご苦労さまでした。。
読んでるうちに…涙がぽろぽろ出てきちゃうし~まだ出ててるし…
まずは、食欲が戻ってきてよかった!
体力の回復を待って検査になるんですね
仙太郎くん、元気になること祈ってるからね!!

●味のカレー、夏バテにはサイコーかもね!!

一日も早く仙太郎サン、そして、たまサンが
元気になって楽しい毎日が来るを祈っています!

《小町の世話係さん》
仙太郎は少しずつやけど回復に向かってます^^
お世話係さんのお祈り、効き目バツグンのようです。
ありがとーございます♪

しし丸はねぇ、元気すぎ^^;

《ほっぺたいようさん》
今まで、仙太郎の生死を自分が決めることになるだなんて夢にも思ってませんでした。
でも今となってはあの時に歯を削ってよかったと思っています。
仙太郎も、もちろん私も、これからが頑張りどころっす。

やっぱうんこ味のカレーですよね。
カレー味のうんこを生産できる人は凄いと思うけど、食べるのはキツイですよねぇ。

《nonaさん》
何よりも食べることが大好きな仙太郎。
そんな彼から食を奪うことなんてできませんよね^^
食べたいのに食べれなくて衰弱していく姿なんて見たくありませんでした。
たとえ体重が戻らなくても、体力が回復しなくても、食べさせてあげたかったです。

nonaさん・・・避難リュックの中にうーちゃ君の●が非常食として入ってたりして!?

《いっちゃんははさん》
仙太郎は少しずつですが回復に戻ってきてるようです。
全快までにはまだ時間がかかりそうですが、気長にやろうと思います。
体力が戻ったら検査をして、病気の件をハッキリさせますね。

●味のカレーは、1口食べるだけでも相当効きそうですよね♪

《ペプヲさん》
仙太郎、少しずつ元気になってきてます。
今は自室で牧草をつまんでます。
そのうちガッツリ食べる日が来るのを信じて、これからもゆっくり気長に頑張って行こうと思います^^


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